耳と尾っぽの行方
一 獅子族の王、レイアスが初めてうさぎ姫を見たのは、戦の終わった荒野だった。 狼の群れを念力で吹き飛ばし、龍の背から降り立ったばかりの彼の前に、白い耳をぴょこぴょこ揺らした小さな影が立ちはだかっていた。 「通れ」 「嫌です」 レイアスは目を細めた。この俺に「嫌です」と言った者は、歴史上いなかった。 「お前、俺が誰か知っているか」 「獅子族の王様ですよね。有名ですもん」 「ならなぜ」 「だって、あなたの後ろに狼の赤ちゃんが三匹いるので。踏まれちゃいます」 レイアスは振り返った。確かにいた。よちよちと歩く三匹が、足元をうろうろしていた。 無言でつまみ上げ、草むらに置いた。 「ありがとうございます!やっぱり優しいんですね」 「優しくない」 「でも助けてくれました」 「…黙れ」 うさぎ姫は満足そうに頷いた。 「ルナといいます。またお会いしましょう」 またお会いしましょう、と言える胆力が、レイアスには理解できなかった。 二 二人が再び会ったのは、満月の夜だった。 レイアスの念力が暴走したのだ。山が割れ、空が歪み、臣下は遠巻きに震えていた。そこへルナが、てくてく歩いてきた。 「ルナ様!危のうございます!」 「大丈夫です、ちょっと待ってて」 嵐の中をまっすぐ進み、レイアスの胸に両手を当て、目を閉じた。 嵐が、止んだ。 正気を取り戻したレイアスの前に、ルナがいた。 「なぜここにいる」 「止めに来ました」 「なぜお前が来る」 「だって他の人、誰も来なかったので」 「当たり前だ!死ぬぞ!」 「でも死ななかったです」 「結果論だ!」 ルナはきょとんとして言った。 「怒ってるんですか?」 「怒っている!」 「よかった。ちゃんと戻ってきた」 レイアスは言葉に詰まった。 三 問題はそのあとだった。力を使い果たしたルナの耳と尻尾が、しまわれなくなった。 「耳が、出たままです」 「見ればわかる」 「どうしましょう」 「知らん」 ルナは耳をぺたぺた触って、首を傾げた。 「触ってみますか?気が紛れるかもしれません」 「……紛れない」 三秒の沈黙の後、レイアスはものすごく不服そうな顔でルナの耳に触れた。 確かに柔らかかった。 「何も感じない」 「嘘ですよね、今ちょっと顔赤くなりました」 「なっていない」 「なりましたよ」 「黙れ」 四 耳と尻尾は三日後に戻った。その三日間、レイアスはルナのそばを離れなかった。理由を聞かれるたびに「監視だ」と言った。 三日目の朝、耳がしまわれた。 「帰ります」とルナが言った。 「そうか」とレイアスが言った。 ルナは出口まで歩いて、振り返った。 「また満月の夜に来てもいいですか」 「来るな」 ルナは笑った。 「わかりました。でも来ます」 扉が閉まった。 レイアスはしばらく黙って、それから窓の外を見た。満月が、まだそこにあった。 次の満月まで、あと一ヶ月。 「……あの耳と尻尾を、もう一度見たい」 誰にも聞こえない声で、王は言った。 次の配信は 15-17時だよっ♡





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えるち さんの官能小説とどっちがドキドキするかなぁ〜?(笑)
人の心読めたら何でもできるよ(=^・^=)
タカさん♡ 岸部露伴は、ちょっと世にも奇妙な物語系なドキドキ♡ えるの朗読は、えっちなそれ♡ ちがうドキドキですね♪
ひろみさん♡ なんでもできますよね💕(´∀`*)ウフフ