米田教授と鍋パーティ

えるち*//さんのブログ

米田教授と鍋パーティ

ボーダー

超えてはならない境界線がある

それは、礼儀正しくとか、品行よくとはまた違う。とえるちは思っている。

何回か遊んだことがある人は、きっとわかる。

大して好きでも無い人に「そばにいて・・・」となつかれたり、ペット扱いされたり・・・

相談事に「わたしならこうする。こうしなよ。」とかいう人・・・

などなどである。・・・気を付けなければ、とえるちは思っている。

 

サンククチュアリ米田は、そこのところは礼儀があった。

ともみは、卒業後米田教授の助手になるといい、

「好きにすれば?」といってあげた

「え?えるち妬かないの?」

「なんで、妬くの?わたし卒業したら地元かえるし。彼氏地元だし」

「えー、さみしいな。。。

そうだ、よねよねが、今度鍋パしよって。うちの彼氏と」

「鍋パか、すきだね、よねは。いいよ。ごはん代浮くし」

「そんな理由?・・・うちのまさきも来るからさ、いこ?」

米田宅では塩なべパーティが開かれた。

しおで味付けするシンプルな鍋。キャンプでよく作るそうだ。

「ほら、みんな食べなさい。」

「いただきます!」

「わー、とりにくおいしい!」

「白菜も味しみてる〜」

「あ、エリンギもうまいっす」

「ねえ、まさき、エリンギってなんかえろい・・・」

「はいはい、えろいよね。あ、すいません、うちのともみが・・」

「いいよ。うちのともみだって。キャー。もう夫婦みたい」

「やめてよ。えるち、でも私たち、卒業したら結婚するんだ」

「おめでとう、ともみさん、まさきくん。」

米田がお祝いの言葉をのべた。

「ほら、わたしたち、大学から一緒でしょ。最近マンネリだから、

いろいろくふうしてるの」

「くふうって?」

「セーラー服きたり、チャイナきたり。。。」

「ともみ、似合いそう。わたしもチャイナきるよ。」

「えーえるちもコスプレすきなの?米田教授、あのミニーマウスエプロンあります?」

まさきが目を丸くする。

「なに?ミニーマウスエプロンって?」

「米田教授、ディズニーすきでさ。学生と鍋の時、そのエプロン貸してくれるの」

「へえ〜」

まさきは、怪訝そうに米田を見る。

「楽しそうだね!」

なんと寛容な彼氏だろう。とえるちは思った。

「えるち、着る?」

「え、着ないよ。私、ディジーが好きだから」

「ああ、ドナルドダックの女の子だね。あるよ。ディジーエプロン」

「え?どんなのですか?」

「青のセーラーっぽいデザイン」

「え〜そうなんですか?貸してください。教授。デートで着たいです」

ここで着るつもりは毛頭ない。着たとて、なんのメリットもない。

「え〜じゃあ、わたしもミニーエプロン貸してください。彼氏と着ます」

日本酒をぐいっとのんだ米田は

「二人にあげるよ。卒業おめでとう」

と握手を求めてきた。

「ありがとうございます」

「どうもです」

「ふたりともがんばって卒論書いたね。えるちさんには、ゼミの掃除もしてくれたし

わたしもアドバイスも真面目に聞いてくれた」

「ありがとうございます」

「だから、ほら、このディジーエプロンをあげるよ。君は心理学まなんでよかったって思える日がくるよ」

「はい」

「えるち、彼氏の前でそのエプロン来なよ」

「うん、でも彼氏に着せるかも」

「え?なにそれ?」

「うちの彼氏さ、ドナルドダックもみたいな口だねって褒めると、デートにドナルドダックのTシャツきてくるんだよ」

「なにそれ、夢可愛い」

「ん〜、うちデートはいいんだけど、駅地下でそれはやめてほしくてさ」

「うん」

「だから、このエプロンも着せたら喜ぶかなって」

「えるちさん、一言いいかね」

米田教授がくちを開いた

「あなたは、自分を大事にしなさい。きっといいひとと結婚しますよ」

「・・・はい。今彼、女々しくてつらいです」

「うん、、、」

「大学卒業したら、おれが主夫になるから働いてって」

「は?」

「働いて働いて働いて、まいりま〜す〜って二人で歌ってるの」

「くそですね、その彼氏は」

まさきが口を開いた

「でも、いろいろ合うんだけどな。運転上手だし」

「要はえるちさんが、それでも結婚したいかってことですね」

まさきが意見を述べる。

自分のことは自分で決めたい。

「うん、卒業したら、実家に挨拶にくるからそのとき考えるよ」

「えるちさ、ちゃんと結婚の条件考えてつきあったほうがいいよ。ね、ライフプランとか」

「・・・あのさ、そうやってずかずか人にアドバイスするの、やめてくれないかな?ライフプランってなに、みんな王道を行かなきゃいけないの?別にいいじゃん専業主夫でもさ、わたしが稼げはよくない?」

「えるちさん、君のそういう論争的なところは、控えたほうがいいよ」

米田が静かに言った

「はい、、」

「きみはがんこだから、でもそれがいいとこだよ。趣味はなにかね?」

「え、カラオケとか、たまにジムのエアロビとかいきます。読書もすきで」

「うん、それを大事にしなさい」

「そして、ともみさん、あなたは人の境界線が薄いから、ちゃんと程度をわきまえなさい。相手がこまってしまうからね。。。」

「え、よねよね優しい、、、」

そういってともみはエプロンをあまがみした。思い出のエプロン。

「私の立場だと、どうしてもお父さん目線になってしまうんだ。いろいろと大変なんだよ。女学生の相手は」

「そうですね」

まさきが上から目線でうなづく。

「ほら、これもってかえりなさい」

そういって米田は二人にエプロンとデンマを一個ずつ袋にいれてくれた。

「ありがとうございます」

「え、でんまがある。よねよねありがとう。」

「わたしをおもいだしてつかってくれ」

え?という顔でまさきは米田を見た

でもこれ以上はきけない何かを感じて、軽く会釈した。

この春、ふたりは大学を卒業する。

空には雪が舞っていた。

 

 

 

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コメント一覧

2026/01/29 14:57

お土産にデンマ(=^・^=)大学の教授のセンスはチョット違うね


2026/01/29 17:21

ひろみさん、はい絶対忘れないお土産(*^^*)


2026/01/29 17:59

むか〜し同期の結婚式の2次会でビンゴ大会があって、スゲ〜物貰った!気になったら会った時に話すね^_^


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